これまでとこれからも

インタビュー

政治家(議員)になった動機(きっかけ)は?

政治家を志したきっかけは、大きく2つあり、今も政策を通じて模索している項目です。

1つは、東京一極の打破をすべく、地方分権の推進と京都経済(雇用)の活性化をすることです。2006年に神奈川県の人口が大阪府の人口を上回ったニュースを見て、大変衝撃を受けました。当時、私は新卒で入社したリクルートエージェントで転職エージェントとして働いていたので、東京圏と関西圏の求人の数を調べてみると、文字通り「桁違い」の差があることを知り、東京一極集中への危機感を感じました。成熟社会となり低成長が続く日本をもう一度成長させるには、各地方都市の多様性を最大限引き出すことが必要だと考えています。

もう1つは、世代間格差を是正すべく、若者世代や次世代の声を代弁することです。年金受給額の世代間格差は、よく耳にしますが、医療・介護の福祉負担はもちろん、所得水準そのものが低いなど、若者世代は経済的に大変厳しい環境に置かれています。今のままでいけば、次の世代は更に厳しい環境になります。政治家を志した28歳当時、子どもが生まれたこともあり、自分たちの世代・子どもたちの世代の意見をしっかり政治の場で伝えたいと考えたのがきっかけです。

治家(議員)として心掛けているところは?

議員は市民の代表です。私に共感して投票してくれた市民がいるように、政策の方向性やスタンスが違う別の党の議員にも共感し投票した市民がいます。議会は、多様な考えを持つ議員の集まりですから、異なる考え方も否定せずに、議論することを心掛けています。
また、どの世界でもなりがちですが、誰が言ったかで判断してはいけないと思っています。「誰が言ったか」ではなく、「何を言ったか」で判断するように心がけています。

政治家として遣り甲斐を感じることは?

政治の世界には、これが「正解」という答えはありません。日本を取り巻く環境は、少子化・高齢化をはじめ、大変厳しいものがあります。攻略が大変難しいゲームを指す「無理ゲー」という言葉が頭をよぎる時もあります。しかし、新しいテクノロジーや新しい政治手法、そして何より多くの方の知恵を使って、これが現段階の「正解」だと思える課題解決ができる時が度々あります。そんな時は、ここは確実に良くなったと実感できます。

力を入れている(入れていく)政策は?

福祉も文化も環境も大切ですが、そこに力を入れるためにも経済が最も大事だと考えています。京都の場合、20代・30代の現役世代の流出が最大の課題です。人口の10%が大学生という大学の街ですから、毎年大変多くの若者が京都に来てくれます。しかし、卒業とともにほぼ同数の20代の若者が京都から出ていきます。大学生が働きたいと思う企業を増やしていくことが必要です。
また、30代は結婚や出産を機に京都から出ていく傾向が顕著です。これは、住宅を中心に物価が高いことをはじめ、京都では子育てがしにくいと多くの方が考えるのが原因です。住宅の供給のあり方や子育て世代に向けた福祉の見直しが必要です。

政治家にならなかったら何になりましたか?

学生の頃、NPOでリサイクル着物ショップを立ち上げ、運営しておりました。その時の経験がとてもエキサイティングだったので、大学卒業後は、自分で起業をして本格的な事業をしたいと思い、修行する気持ちでリクルートグループに新卒入社しました。その後、社会問題や政治的課題に関心を持ち、議員として活動していますが、政治家になっていなければ、ビジネスから社会課題を解決するソーシャルビジネスを起業していたと思います。

有権者(特に若い方達)へのメッセージをお願いします

言われ尽くした凡庸なことですが、若い方には是非政治に関心を持って頂きたいです。テレビのニュースやワイドショーは、どうしても不祥事やダメなところばかりを取り上げます。しかし、実際の政治や行政の場では、テレビでは取り上げられない素晴らしい取り組みが多くあります。政治に期待できないと思っている方が多いと思いますが、悪いところだけでなく、良いところにもしっかり目を向けていただきたいと思います。そして、民主主義の日本では、主権は一人一人の有権者にありますから、一人一人が関心を持つことでしか、社会を良くしていけないということも是非考えて頂きたいと思います。